園便り 平成30年9月

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園便り

今月の園便り 9月

長い夏休みが終わり、一回り大きくなった子どもたちが元気に幼稚園に戻ってきました。今年久しぶりに行われた「夏期保育」はいかがだったでしょうか。久しぶりに会ったお友達や先生の顔を見て嬉しそうに笑う子どもたちの顔がとても印象的でした。たった二日でしたが、一日目の誕生会では先生たちが、子どもたちへの歓迎を込め、楽しいペープサートを披露しました。二日目はスイカのおやつが出ました。口の周りを赤くして園庭で興奮して食べる水着姿の写真が、きっとクラス便りなどで見られることでしょう。二学期もこの子どもたちと共に生活し、感動したり笑ったりの日々を送れることを心から嬉しく思います。二学期は大きな行事、小さな行事が続き、楽しく忙しい毎日になりますが、行事を通して一段と成長する子どもたちの姿を見るのも楽しみの一つです。

さて、一学期の終業式で子どもたちと約束をしたことがあります。年少さんは何かしていただいた時に「ありがとう」を言いましょう。年中さんは「ありがとう」プラス知っている方にお会いしたら「おはようございます」「こんにちは」のご挨拶をしましょう。そして、年長さんにはそれらに加え、「お家のお手伝いを一つ決めて、毎日しましょう。」と約束しました。お子様たちは、お家に帰ってからお話をしていましたか?時々思い出して頑張ってやろうとしたでしょうか。

カリタス幼稚園の子どもたちはきちんと挨拶ができると定評がありますが、本当にそうでしょうか。先生や大人から促されればしっかりできるのですが、自分から気が付いてとまでは至っていないようです。例えば、自分から「ありがとうございます」を自然に言える子どもは少ないように思います。保健室で手当てをしていただいた時、落とし物を届けてもらった時、何も言わないことが多く「アレ?」と促してやっと気付くことが多いのが現状です。私はよく玄関でお迎えをすることを、ご挨拶の関所と冗談に言うのですが、玄関ではないところでお迎えするとポカ~ンとしていることが多いのです。また、毎日お会いする警備の方やお友達のお母さん、先生たちに自分から「おはようございます」や「さようなら」を言える子は多くはいません。相手から「おはよう」と言われてもお返事ができない子もいるようです。まずは声をかけられたら笑顔で挨拶を返すところから始めるとよいですね。

カリタス幼稚園では、「自分で考え、行動できる子ども」の育成を目指しています。自分から自然に挨拶ができるのは、相手との関係、状態を理解しているわけですから、かなり成長した精神であるとも言えるのです。「ありがとう」と「挨拶」が自然に出るようにご家庭と幼稚園で見守っていきましょう。

「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」

平成30年度改訂幼稚園教育要領では、小学校教育との円滑な接続のため「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」が明確化されました。「健康な心と体」「自立心」「協同性」「道徳性・規範意識の芽生え」「社会生活との関わり」「思考力の芽生え」「自然との関わり・生命尊重」「数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚」「言葉による伝え合い」「豊かな感性と表現」です。この「姿」は5歳後半に突如現れるものではなく、また卒園するまでに完成させたい到達目標ではありません。3歳・4歳を含む長いスパンの中で徐々に育つものであり、また小学生以降も育ち続けていくものです。それぞれの成長の段階を知り、その子どもにあった指導の積み重ねが、その姿になっていきます。教師は一人ひとりの子どもをよく知り、説明や指示といった援助をし、見守り、仲介し、一緒に遊び、活動し、環境を設定します。カリタス幼稚園でも様々な活動・体験を通してこの10の姿を育んでいきます。

<健康な心と体>
  • 遊びの中で思い切り身体を動かす。
  • 進んで戸外で遊ぶ。
  • 体操など様々な活動に親しみ、楽しんで取り組む。
  • 友達や先生と、安心して楽しんで遊ぶ。
  • 危険な場所や危険な行動がわかり、災害時なども安全に気を付けて行動する。
  • 先生や友達と楽しんで食べ、食べ物への興味関心を持つ。
  • 健康な生活のリズムを身につける。
  • 自分の健康に関心を持ち、手を洗う、うがいをするなどの活動を進んでする。
  • 身の回りを清潔にし、衣服の着脱、排せつなどを自分でする。

などがあげられています。

ふさわしい環境の中で子どもたちの良い姿が見られるよう、ご家庭と協力しながら育てていきたいと思います。