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モンテッソーリ教育.1日常生活の練習
自立を支える基本的な技術を学びます。自ら選び取った作業を自身で完成させることにより自立心を養い、自信、品位、困難を克服する喜び、集中力を身につけます。また、実際に手を使い様々な経験をすることが後の知的活動の基盤を作る事にもなります。
テーブルを洗う
汚れたテーブルをスボンジと雑巾を使ってきれいにします。力の加減、まわりへの配慮など気をつけながら行います。独立心や、意識的運動調整能力を身につけます。
切る
年齢に応じた難度違いのある切り紙を準備します。線に沿って丁寧に切っていくと、美しい模様の作品が出来上がります。指先を意識的に使う能力を高めます。
靴を磨く
汚れを取り、クリームを塗り、のばし磨くといった一連の作業を順序よく守りながら、通園靴の手入れをします。
貼る
刷毛を使い、ちょうど良い糊の量をいろいろな型の紙に塗ります。線に沿ってきれいに貼って美しい模様を描いていきます。
タオルを絞る
小タオルを洗面器の水に浸し、おしぼりを作ります。水滴が飛び散らないように手首をコントロールしながら上手に絞ります。お弁当時にテーブルに1本ずつ置いていきます。
花の水替え
花瓶に挿したお花の水換えをします。花瓶の中をきれいに洗い、水切りしたお花の茎を虫眼鏡で観察し、新しい水の入った花瓶に挿して飾ります。一連の仕事の流れを把握しながら興味深く行います。
縫い刺し
針の持ち方、糸通し、玉結びなど一連の作業を知り、上下上下と順序性を守り、点に添って運針します。
モンテッソーリ教育.2感覚
視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の5感覚を洗練させる活動です。
具体物を、「対にする」、「段階づける」、「分類する」の3つの操作により、それぞれの感覚をはっきり認識できるようになり、概念形成ができます。これらの論理的な活動は数学的頭脳の育成にもなります。
穀物のよりわけ
種類の違う穀物を何種類か用意し混ぜておきます。アイマスクをつけ、指先、手のひら等を使って同じ種類どうしでより分けます。触覚と重量感覚の洗練を促し、立体識別感覚を養います。
三項式
立方の箱の中に、三項式の立方が積めるように作られた立方体3個と直方体24個が入っています。感覚的に三項式の立方を積むことにより、代数の三項式の理解への基礎となります。
ピンクタワー
一辺が1cmから10cmまでの立方体を、並べたり積んだりして遊びます。大きい小さいの感覚と言葉を覚え、寸法の漸次性を視覚で識別します。観察力を養うと共に、数学的頭脳の育成に役立ちます。
赤い棒
10cmずつ長さの違う10cmから100cmの太さの統一された赤い棒10本を使います。視覚を通して長さの差異的な知覚を獲得します。
幾何タンス
6段の各引き出しにはつまみの付いた種々の幾何図形が入っています。1枚1枚を子どもに丁寧にさわらせ、筋肉感覚の記憶と視覚で形を識別出来るようにします。注意力や観察力を深めます。
音感ベル
1オクターブの音階を構成する金属性のベルを1音ずつ打ち、音の高低を知ったり、同じ音を捜したりします。
モンテッソーリ教育.3数
整数の量、数詞、数字の一致からスタートし、十進法の理解、四則計算の概念形成を行います。感覚教育で養った「対にする(同一性)」「段階づけ(漸次性)」「分類(同類項の整理)」が数字によって表される抽象の世界で、より明確に量を表すことを知ります。冷静に物事を観察し、判断できるような論理的思考力を養うことにより、成熟した人格の育成ができます。
砂数字板
0から9までの砂数字がなめらかな板にプリントされています。数の順列を知っている子どもにまずは1から9の数字を提供します。声を出しながら指でなぞり、視覚、触覚、聴覚で数字を記憶します。
数字と玉
1から10までの量と数の概念が理解できた子どもに紹介します。数字の下に同量の赤い玉を並べます。2こずつ並べ偶数と奇数の数があることに気付かせていきます。
切手遊び
ヘビ遊び
(たし算・ひき算)
1から9までの色棒ビーズと10の金棒ビーズを使って繰り上がり、繰り下がりのある計算をします。十進法が理解できている子どもが行います。
1000の鎖
ロザリオを模した1000の鎖を数えると気持ちが穏やかになります。
大きい数が分かるようになってきた頃に、数を口に出して1から数えることで耳で聴き、数の順序を整理します。
モンテッソーリ教育.4言語
文字を書き、読みます。品詞の理解、構文の理解を通し正確かつ的確に自己を表現することができるようになります。また、書物を読む力を身につけることによって自分自身で知識を深め、自己を高めていけるような子どもに成長できることをめざします。
他人の考えを理解したり、自分を上手に主張できるようになったり、また、熟考できる円満な人格の育成に役立ちます。
五十音並べ
ひらがなに興味を持った子ども達に提供します。始めは2~3行だけを取り出し、読み方と文字を覚えていき、五十音図を覚えます。
名前を書く・
文を書き写す
ひらがなを覚えた子ども達は、筆順、形に気をつけながら丁寧に文字を書いていきます。お友達の名前を、トレーシングペーパーで書き写します。お祈りの言葉や、短い文章をお手本を見ながら書きます。
鉄製はめ込み
(書くための準備)
鉄製幾何図形の輪郭線を色鉛筆で丁寧に描いていきます。他の図形と組み合わせたり模様をつけたりする活動が、鉛筆を持ちコントロールしながら文字を書くための準備になります。
文字のスタンプ
3歳になると文字に興味を持ち、書きたい欲求を高めます。物の名前や短い文章などスタンプを使って楽しみながら書いていきます。枠の中に丁寧に押します。
モンテッソーリ教育.5文化
地理、歴史、生物、音楽、美術等、幼児の興味にそって提供します。特に地理、歴史、生物では、対象を地球的規模でとらえ、命の大切さ、自分が生まれてきたことの意義を見出せるよう援助します。また、これらには平和を愛する大人へと成長できるようにとのねらいがあります。モンテッソーリ教育の究極の目的は、教育を通して世界平和を目指すことなのです。
色付き地球儀
世界地図地球儀とはめ込み世界地図を使って大陸と大洋を知ります。また、世界の大陸に親しみ、世界・地球に関心をもたせます。
世界地図
大陸の名前や大洋の名前を知ります。子ども達はこの活動を通し、世界の各地域の名称や形に関心の持つようになります。
対称地形
土と水の作用によってできる地形を知ります。様々な対称的な地形と名称に関心を持つようになります。